移動に不安を抱える高齢者や障害のある方を支える手段として、タクシーチケットを活用した移動支援が広がっています。昨今は、自治体による助成制度だけでなく、病院や介護施設など民間での導入例も増えてきました。

そこで今回は、移動支援としてのタクシーチケットの使い方について詳しく紹介します。移動支援の種類や仕組みも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

移動支援のためのタクシーチケットとは?

移動支援とは、高齢者、障害のある方、要介護者、妊産婦など、外出が困難な方をサポートする取り組みのことです。

サポート手段はさまざまですが、なかでもドア・ツー・ドアで目的地へ行けるタクシーによる移動支援は、自力での移動が難しい方の生活を支える手法として広く活用されています。多くの自治体や助成業務などで広く採用されているほか、最近は病院・介護施設・企業など民間事業者が顧客サービスの向上や業務効率化を目的に導入するケースも増えています。

そして、こうしたタクシーによる移動支援では、タクシーチケットが活用されているケースも多いです。

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タクシーチケットを活用した移動支援とはどういったものがあるか?

タクシーチケットを活用した移動支援とはどういったものがあるか?

移動支援の対象や内容は、自治体や実施主体によってさまざまです。代表的な支援としては、次のような例が挙げられます。

  • 障害者福祉向け
  • 妊産婦向け
  • 免許返納者向け
  • その他移動支援

それぞれどのような支援なのか、詳しく見ていきましょう。

障害者福祉向け(福祉タクシー券)

多くの自治体は、身体・知的障害のある方の自立と社会参加を促すため、タクシー料金の一部を補助する制度を設けています。「タクシー料金給付券」「外出支援利用券」など名称はさまざまですが、基本的にはタクシーチケットを活用した制度です。

なお、対象となる障害の種別や等級、交付枚数、助成額は、自治体によって差があります。

妊産婦向け(妊産婦タクシー券)

妊産婦の定期検診などのために外出する妊産婦の負担軽減を目的に、タクシー料金の一部を助成する自治体も増えています。「妊産婦応援タクシー利用料金助成」「マタニティタクシー利用料金助成事業」など、事業名はさまざまですが、妊産婦にタクシー券を配布する形が一般的です。

自治体によっては、陣痛時に利用できるチケットを別途用意しているケースもあります。

免許返納者向け(免許返納者向けタクシー券)

運転免許証を自主返納した高齢者への移動支援として、タクシーチケットを交付する自治体も増えています

電車やバスのないエリアでは、自動車を運転できないと日常生活がままなりません。そのため、どうしても運転免許証を手放せない高齢者も多いです。

しかし、買い物や通院時に使えるタクシーチケットがあれば、返納後も安心して生活できるでしょう。近年は、都市部でも移動に悩む高齢者向けに、この助成を導入する自治体が増えています。

その他の移動支援としてどういうものがあるか

移動支援は、上記のような自治体の福祉制度だけにとどまりません。

病院や介護施設でも、利用者の移動手段の確保やサービス向上の観点から、タクシーチケットの導入が進んでいます。

たとえば、人工透析や目の手術などのために通院が必要な患者に対して、病院側がタクシーチケットを渡すケースがあります。

また、老人ホームや介護施設では、入居者が救急搬送された後の帰りの移動手段として、タクシーチケットを活用することがあります

その他にも、結婚式場・冠婚葬祭・車検送迎・墓地見学・不動産内見・学校見学・ホテル送迎・交通機関の帰宅困難者向け等様々なシーンでタクシーチケットが導入されています。

タクシー券の種類・使われ方

移動支援で使われるタクシーチケットには、次のような種類があります。

  • クーポン券形式(金額固定)
  • 実費形式(限度額内)
  • その他

それぞれの特徴を見ていきましょう。

クーポン券形式(金額固定)

自治体の移動支援制度でよく見られるのが、クーポン券(金額固定)形式のタクシーチケットです。

自治体が対象地域のタクシー会社と個別に契約を結び、独自のタクシー券を作成して対象者に配布します。
配られるチケットの上限額は1枚500円や300円であるケースが多く、複数枚を組み合わせて使用できる例もあります。たとえば、年間助成額が10,000円なら、500円券×20枚が交付されます。お釣りは出ないのが一般的です。

使い方は一般的なクーポン券とほぼ同じであるため、利用者にとって分かりやすいのがメリットです。

タクシー料金の精算方法には、タクシーチケット事業者から事前にチケットを購入する前払い方式と、実際の利用分を後から精算する後払い方式があります。

実費形式(限度額内)

民間企業の移動支援チケットでは、通常のタクシーチケットの使用方法と同様に、利用者が自らタクシー料金をチケットに記入します。

チケットには1,000円から10,000円の間で限度額が設定されることが多く、その範囲内でタクシー料金の支払いができます。タクシー料金の精算は、実際に利用された料金が後日まとめてチケット事業者から民間企業に請求される仕組みです。

移動支援のタクシーチケット運用でよくある課題

移動支援のタクシーチケットを自分たちで用意する場合、現場ではさまざまな課題が浮上します。

ここでは、代表的な3つの課題を取り上げます。

タクシー券の発行の業務負担が大きい

タクシーチケットの運用では、発行や製造の事務負担が課題になりやすいです。

大量のタクシー券を製造する負担はもちろんですが、それに加えて不正利用を防ぐための偽造防止対策や識別番号の割り振り、さらには自治体の規定枚数に合わせた冊子への製本作業といった煩雑な工程が発生します。

タクシー会社との個別契約・調整に負担がかかる

移動支援としてタクシーチケットを導入する場合、利用地域のタクシー会社と個別に契約を結ぶケースが多く、なかには数社から100社を超えるタクシー会社と契約している例も見られます。

契約後は、料金改定、運用ルールの変更、新たにタクシー会社の追加や脱退といったことに、継続的に対応する必要があります。契約先が増えるほど、日々の問い合わせや連絡・確認業務も積み重なり、担当者の負担は大きくなります。

一方、負担を避けるために契約先を絞ると、利用できるタクシー会社が減ってしまうため、契約先を安易に減らすことも難しいのが実情です。

個別の精算処理・支払事務に負担がかかる

タクシー料金の精算業務では、タクシー会社ごとに使用済みチケットの確認や、利用枚数や金額を確認・集計する必要があります。特に後払い形式の場合、契約先から毎月個別に請求書が届くため、会社ごとにタクシーチケットの照合と支払い作業が発生します。

さらに、請求書が届くタイミングや様式、提供される利用データの形式も会社ごとに異なるため、契約数が多くなるほど管理部門の処理負担は増大していきます。

移動支援タクシーチケットの運用委託で押さえておきたいポイント

移動支援のタクシーチケットにおける運用委託で押さえておきたいポイント

先述した課題を解消する方法としては、タクシーチケットの運用を「専門の発行会社」に委託することが挙げられます。ここからは、運用委託先を選ぶ際に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

①発行から精算処理をワンストップで対応できるか

運用委託先を選ぶ際にもっとも重要なのは、タクシー会社との契約から、チケットの発行・チケットの回収、精算処理まで、ワンストップで対応してもらえるかどうかです。

部分的に委託するだけでは、委託元でも事務作業をしなければならず、逆に業務が煩雑になってしまう可能性もあるため注意しなければなりません。

一方、加盟タクシー会社のとりまとめも含めて、発行から精算処理を一貫対応してくれる運用委託先を選べば、担当者の負担を増やすことなく、移動支援チケットを導入できます。

②求める仕様に合わせた対応ができるか

運用委託先を選ぶ際は、求める仕様に合わせたタクシーチケットを発行してくれるかどうかも確認しましょう。具体的なチェックポイントは次のとおりです。

  • 有効期限・限度額・希望文字・本人記入欄など、券面仕様のカスタマイズに対応してくれる
  • 1枚500円や300円の少額専用チケットや希望限度額の専用チケットを作成してくれる
  • 希望枚数に合わせた専用チケット冊子を作成してくれる

また、金額や仕様の見直しなどが生じた際に、柔軟に対応してもらえるかも確認することをおすすめします。

③使用済みチケットや利用データを簡単に確認できるか

使用済みチケットの内容確認を、簡単に行えるかどうかも重要なポイントです。

たとえば、利用データ(日付・金額・タクシー会社など)を確認できれば、チケットの利用実態を月次で把握できるほか、利用者や利用日ごとの実績確認も容易になります。

④年度予算管理に合わせた支払いプランを選べるか(自治体の場合)

希望する支払い形態は、各自治体ごとにさまざまです。ただし、自治体では年度内決済の原則があるため、期間内に支払いを完了させる必要があり、タクシーチケットの精算方法の選定は重要となります。そのため運用委託先を選ぶ際は、予算管理に合わせた支払いプランを選べるかも確認しましょう。主な選択肢としては、次のような例が挙げられます。

  • 初回一括購入
  • 初回一括購入+未使用チケット分は返金
  • 請求書での後払い方式

すべての支払いプランに対応している運用委託先を選べば、自治体の方針が変わった場合でも、柔軟に対応してもらえます。

移動支援のタクシーチケットに関するよくある質問

最後に、移動支援のタクシーチケットに関する質問に回答します。

介護タクシー利用時の介護対応やリフト等の料金は福祉タクシー券で支払えるか?

福祉タクシー券で介護タクシーを利用した際の介護対応やリフト等の料金でタクシー券を使えるかどうかは、その介護タクシーによって異なりますので、直接ご確認ください。

まとめ

移動支援としてのタクシーチケットは、障害のある方や高齢者、妊産婦など、さまざまな方の外出をサポートする手段として広く活用されています。

一方、移動支援事業の運営には、タクシーチケットの発行・配布・精算管理、タクシー会社との契約調整など、さまざまな手間がかかります。すでに業務負担を感じている方、導入検討に不安を感じる方は、ぜひ愛のタクシーチケットへご相談ください。

愛のタクシーチケットでは民間企業だけでなく、自治体の移動支援事業におけるタクシー券の業務受託実績もございます。自治体発行の移動支援券として、当社が発行するタクシーチケットをそのままご採用いただけば、チケットを刷る必要も、地域のタクシー会社と個別に交渉する必要もありません。チケットを使えるタクシー事業者が増えるため、住民の利便性が向上することもメリットです。

移動支援事業におけるタクシー券の運用支援サービスについては、下記のページでも詳しく紹介しております。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

自治体様向け 移動支援事業における、福祉タクシー券等の運用支援サービス