
取引先へお車代を渡す、社員のタクシー利用を会社で管理するといった場面で、選択肢のひとつとなるのが「タクシーチケット」です。しかし、購入先によって手続き方法、費用や条件が異なるため、自社に合う申し込み先を選ぶのに迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、購入先別の特徴、申し込みから発行までの流れ、購入前に確認すべきポイントを整理しました。自社に合った購入先を選ぶ判断材料としてご活用ください。
タクシーチケット(タクチケ)とは
タクシーチケット(通称タクチケ)とは、タクシー乗車時にチケットを乗務員に渡すだけで料金を精算できる決済手段です。乗車料金は後日まとめて請求される後払い方式で、現金やクレジットカードのやり取りなしにタクシーを利用できます。
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法人での主な利用シーンは、社員の業務利用と、取引先へのお車代のお渡しの2つです。どちらの場合も、社員の立替精算や領収書の回収が不要になり、月次の請求書で経理処理が完結するため、業務効率化につながります。チケットには利用日・乗車区間・利用者・金額が記録されるため、経費の見える化や、利用状況の把握によるガバナンス強化も期待できます。
タクシーチケットの仕組みやメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:タクシーチケットとは?仕組みや使い方、メリットを解説
タクシーチケットはどこで買える?主な購入場所
タクシーチケットの購入先(申し込み先)としては、次の3パターンが挙げられます。
| 申込み先 | 使えるタクシーの範囲 | 法人カードの要否 | 初期費用 |
|---|---|---|---|
| クレジットカード会社 | 全国の加盟タクシー会社 | 必要 | 原則不要 |
| タクシー会社・タクシー組合 | 契約したタクシー会社もしくは組合に加盟しているタクシー会社 | 不要 | 予納金・保証金を求められる場合がある |
| タクシーチケット専門会社(決済代行会社) | 全国の加盟タクシー会社 | 不要 | 原則不要 |
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
クレジットカード会社
クレジットカード会社が発行するタクシーチケットは、そのカード会社の法人カード会員のみが利用できます。対象の法人カードを保有していれば、会員マイページなどから申し込みでき、新規の契約締結や審査がないケースもあります。
チケットを利用できるタクシーの範囲は全国規模であるケースが多いですが、カード会社によって差があるため、自社がよく使うタクシー会社が対象かどうか、契約前に確認しておきましょう。
予納金(保証金)は原則不要で、チケットの発行手数料も、カードのグレードによっては無料になるケースが多いです。
タクシー会社・タクシー組合
個別のタクシー会社や、複数のタクシー会社で成り立つタクシー組合も、タクシーチケットを発行しています。
このケースでタクシーチケットを利用できるのは、契約先企業のタクシー、もしくは組合に加盟しているタクシーに限られます。検討する場合、社員や取引先が利用するエリアで、利用できるタクシー会社がどの程度あるかを事前に確認しておきましょう。
なお、タクシー会社・タクシー組合と契約する際、初期費用として予納金・保証金を求められる場合があります。解約時には原則返金されますが、契約時には一時的なキャッシュアウトが発生します。
タクシーチケット専門会社(決済代行会社)
タクシーチケットの発行・管理に特化した専門会社も存在します。専門会社のタクシーチケットは、全国の加盟タクシー会社で横断的に利用できるため、出張・接待など幅広いシーンで役立ちます。
請求窓口が一本化されることで、経理担当者の事務処理負担を軽減できることもポイントです。
タクシーチケットのインボイス対応については、こちらの記事で解説しています。
関連記事:タクシーチケットはインボイス対応している?発行元ごとの違いと経理処理を解説
そのほか、チケットの限度額設定や、社名・部署名・利用者名・費用科目・使用目的の印字など、自社のニーズに合わせたカスタマイズに柔軟に対応してくれること、使用済みチケット情報の提供やタクシー会社への問い合わせ等にも窓口として迅速に対応してもらえることも、専門会社ならではのメリットです。
タクシーチケットの購入方法・購入の流れ
タクシーチケットは、「問い合わせ・申し込み」「審査」「チケット発行」の3ステップで導入できます。

チケット発行までの大まかな流れを見ていきましょう。
1.購入先へ問い合わせ・申し込み
まずは、導入したいタクシーチケットの発行会社へ問い合わせます。
受付方法は、電話・フォーム・FAXなど各社によりさまざまですが、申し込み時には次のような情報を求められるケースが多いため、あらかじめ整理しておくとスムーズです。
- 会社名
- 利用予定額(月間)
- 自社の基本情報(業種・資本金・設立年月日・従業員数など)
- 支払い方法・支払い口座
- 請求書送付先・チケット送付先
2.審査
タクシーチケットは後払い方式のため、支払い能力を確認する与信審査が実施されるのが一般的です。審査には一定の時間がかかるため、申し込み当日からタクシーチケットが使えるわけではありません。利用開始日が決まっている場合、余裕を持って申し込むことをおすすめします。
なお、審査の有無や内容は、発行会社によって異なります。また、クレジットカード会社の場合、法人カード入会時に与信審査済みのため、チケット申し込み時には審査がないケースもあります。
3.チケット発行
審査通過後、チケットが発行・送付されます。発行までの期間は購入先によって異なりますが、申し込みから初回発行まで約2週間〜1カ月程度かかります。追加注文の際は約1~2週間が目安です。
なお、初回に発行できる冊数(チケット数)には、上限が設けられているケースもあります。追加注文についても、初回利用分の支払い確認後とされるケースがあるため、初月から大量のチケットが必要な場合は事前に相談しておきましょう。
また、発行されたタクシーチケットは、金券と同等の価値があるものです。紛失・盗難に注意し、適切に管理する体制も整えておきましょう。
タクシーチケット購入時に確認すべきポイント
ここまで紹介したとおり、タクシーチケットは発行元によって、さまざまな点が異なります。導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、次の8点は事前に確認しておきましょう。

使えるタクシー会社の範囲
まず、タクシーチケットの発行元によって、利用できるタクシー会社の範囲は大きく異なります。
個別のタクシー会社のタクシーチケットは、その会社でのみ利用できる場合が多いです。タクシー組合のタクシーチケットでは組合加盟のタクシー会社で利用ができます。一方、クレジットカード会社のタクシーチケットは、全国の提携タクシー会社で使えます。タクシーチケット専門会社も加盟店は全国規模であるため、出張・接待など幅広いシーンで使いやすいことが特徴です。
そのため購入先を決める際は、社員がよく使うタクシー会社や、チケットを渡す取引先が利用するエリアで使えるタクシー会社を調べることをおすすめします。
予納金(保証金)の有無・金額
契約時の一時的なキャッシュアウトを防ぎたい場合、予納金(保証金)の有無や金額も確認しておきましょう。
タクシー会社・タクシー組合のタクシーチケットを導入する際、初期費用として予納金の支払いを求められる場合があります。金額は会社によって異なりますが、数十万円規模になるケースもあり、解約時に返金されるとはいえ、小さな負担とはいえないでしょう。
一方、クレジットカード会社やタクシーチケット専門会社の場合、予納金は原則不要です。
発行手数料・事務手数料
タクシーチケットの購入(発行)に伴い、発行手数料や事務手数料がかかる場合があります。この費用の発生有無や金額も発行元によって異なるため、確認が必要です。
たとえばクレジットカード会社のタクシーチケット発行手数料は、カードのグレードによって変動するのが一般的です。
一方、タクシー会社・タクシー組合・タクシーチケット専門会社の場合、一度に申し込むチケット冊数によって手数料が変動するケースもあれば、冊数に関わらず一律であるケースもあり、各社ごとに規定はさまざまです。
インボイス対応
タクシーチケット発行元の種別により、インボイス(適格請求書)の対応方法はそれぞれ異なります。
| 発行元 | 仕入税額控除の適用可否 | 経理処理の手間 |
|---|---|---|
| タクシー会社 | タクシー会社が適格請求書発行事業者として登録していれば適用 ※未登録の場合は経過措置あり | 月1回・請求書1通で処理可能 |
| タクシー組合 | 組合により異なる | 組合により異なる |
| クレジットカード会社 | 発券手数料は適用対象乗車料金は回収特例の条件を満たせば適用 | 乗車したタクシー事業者の登録確認が必要(回収特例適用時) またはインボイスの個別回収が必要 |
| タクシーチケット専門会社 | 媒介者交付特例により適用 ※免税事業者のタクシー利用分を除く | 月1回・請求書1通で処理可能 |
経理処理の負担をなるべく減らしたい方は、インボイスに対応している発行元を選択するとよいでしょう。
関連記事:タクシーチケットはインボイス対応している?発行元ごとの違いと経理処理を解説
限度額・有効期限
タクシーチケット1枚あたりの利用限度額や、チケットが発行されてからの有効期限についても、発行元ごとにそれぞれ異なる条件が設定されています。
利用用途に応じた、限度額・有効期限のチケットを発行してもらえるか、あらかじめ確認しておきましょう。
発行までの期間
新規申し込み後から初回発行までの期間は、2週間~1か月程度かかるケースが多いです。急いでタクシーチケットを用意したい場合、契約前に確認しておきましょう。
クレジットカード会社で審査がないケースは、申込から初回発行までの期間が早いことがあります。
また、契約後の追加発行にかかる期間は、約1週間程度が目安です。急いでいる場合に相談できるか、それとも一律対応になるかは発行元によって異なるため、こちらも事前に確認しておきましょう。
必要書類
申し込み先によって追加で必要な書類がある場合もあるため、事前に確認しましょう。
【主な必要書類】
- 履歴事項全部証明書
- 財務諸表・決算書
- 会社案内
準備に時間がかかる書類を求められる可能性もあるため、早めに動き出すと安心です。
オプション
タクシーチケット発行元によっては、下記のようなオプション機能も提供しています。
- チケット印字のカスタマイズ
- 使用済みチケットの画像やデータの提供
- チケット券面内容のデータ化
- 電子請求書
- 部署別の請求書発行
- チケット紛失・盗難リスクに備えた保険サービス
サービスの提供有無や、オプション扱いなのか、それとも標準プラン内で対応してもらえるかは発行元によって異なるため、購入先を選ぶ際の判断材料になります。
タクシーチケットの購入でよくある質問
それでは最後に、タクシーチケットの購入でよくある質問について解説します。
タクシーチケットの利用時に、タクシー代と別に手数料はかかる?
タクシーチケットの利用では追加の手数料は発生しません。実際の利用料金がそのまま請求されます。
チケットで精算可能な料金には、乗車料金のほか、高速代、アプリ手数料、配車料などが含まれます。そのため、通常の支払い方法と変わらない負担で安心してご利用いただけます。
なお、タクシーチケットの契約時・発行時や請求時には、先述したとおり預託金や手数料が発生する場合があります。
デジタルタクシーチケット(電子タクシーチケット)はありますか?また紙のタクシーチケットとの違いは?
デジタルタクシーチケットを提供している事業者はあります。
紙のタクシーチケットは、利用する人に直接手渡し、降車する際も乗務員へ手渡しして支払う仕組みです。
一方の「デジタルタクシーチケット」は、スマートフォンアプリ内で処理を完結させる仕組みになっています。物として手渡しすることはできず、降車時に乗務員へ何かを手渡すこともありません。
スマホ操作が苦手な方・連絡先を知らない方へその場で手渡したいときは紙のチケットが、ペーパーレスで管理・決済を効率化していきたい場合にはデジタルチケットが向いています。
タクシーチケットを使うメリットはなに?
業務効率化や、ガバナンス強化が主なメリットです。
タクシーチケットを導入すれば、社員がタクシー代を自費で立て替える必要がなくなり、それに伴い社内の立替精算手続きも不要となります。また、領収書を乗車の度に回収し、管理する必要もなく、タクシーチケット発行元からの月次請求書があれば経理処理が完結するため、利用者と、経理担当者の負担を大幅に減らせるのです。
さらに、利用日・乗車区間・利用者がチケットに記録されることから、利用実態が見える化し、不正利用の防止にもつながります。
まとめ
タクシーチケットの購入先には、クレジットカード会社・タクシー会社・タクシー組合・タクシーチケット専門会社と、複数の選択肢があります。また、利用できるタクシーの範囲・初期費用の有無・オプション機能も、各社ごとに差があるため、購入先を選ぶ際は、それぞれの会社の特徴をよく確認することが大切です。
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