取引先へのお車代や社員の業務利用など、法人でタクシーチケットの導入を検討する際、紙やデジタルといった種類の違いが分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。

タクシーチケットは種類によって、精算方法や使えるタクシーの範囲などが異なります。違いを知らずに選ぶと、想定していた使い方ができないこともあるため、それぞれの特徴を押さえておくことが大切です。

本記事では、タクシーチケットの種類を形態と支払い方式の2つの軸で整理し、法人向けの選び方を解説します。自社に合った種類を選ぶための判断材料としてご活用ください。

タクシーチケットの形態による種類

タクシーチケットの形態による種類

タクシーチケットの形態は、以下の3種類に分けられます。

  • 紙のタクシーチケット
  • カード型のタクシーチケット
  • 電子・デジタルのタクシーチケット

それぞれの種類について、詳しく見ていきましょう。

紙のタクシーチケット

紙のタクシーチケットは、小切手に似た金券として使われる形態で、最も広く使われています。乗車後に日付・経路・料金などを記入し、降車時に乗務員へ手渡すことで精算が完了します。

代金は契約企業が後日まとめて支払う仕組みのため、利用者はその場で現金を用意する必要がありません。なお、利用用途や利用者名を書く欄を設けている紙のタクシーチケットもあり、必要な対応は発行元によって異なります。

紙であるぶん、紛失のリスクや枚数管理の手間はあるものの、誰でもすぐに使えて、手軽に人に渡すことができ、降車時もスムーズに支払いが完了する点が特徴です。

カード型のタクシーチケット

カード型のタクシーチケットは、プラスチック製の形態で、タクシー車載端末でカードを読み取り決済を行います。精算がカードで完結するため、紙のチケットのように乗車のたびに日付や経路を記入する必要がありません

一方で、基本的に乗車する本人が使うカードとなるため、取引先などへ手渡す用途には適さないものがほとんどです。

また、一枚で何度も利用できる等のメリットはありますが、決済には専用の車載端末を用いるため、利用できる範囲は特定のタクシーに限られていることが多いです。こうした事情もあり、現在カード型のタクシーチケットを発行している事業者は少ないのが現状です。

電子・デジタルのタクシーチケット

電子・デジタルのタクシーチケットは、スマートフォンのアプリなど、オンライン上で発行や決済が完結するペーパーレスの形態です。

利用にあたっては、実際にタクシーに乗る人が対応アプリを使えることが条件になります。あわせて、タクシー側にも対応した決済端末が必要になります。

利用履歴がデータで残るため管理はしやすいものの、対応するタクシーやアプリが限られており、デジタル化はごく一部にとどまっています。

タクシーチケットの支払い方式による種類

タクシーチケットの支払い方式による種類

形態とは別の切り口として、代金をいつ支払うかという支払い方式でも種類を整理できます。タクシーチケットの支払い方式は、以下の2種類に分けられます。

  • 後払い式(請求書等)
  • 前払い式(プリペイドカード等)

それぞれの支払い方式について、詳しく見ていきましょう。

後払い式(請求書)

後払い式は、利用した料金を発行元が集計し、後日まとめて契約企業に請求する方式です。タクシーチケットでもっとも一般的な仕組みであり、乗車のたびに現金を用意する必要がありません。

法人で導入すると、社員によるタクシー代の立て替えが不要になり、利用料金は発行元からの請求としてまとまるため、月末の精算業務を一本化できます。発行元への支払いは銀行振込、口座振替などが一般的です。なお、形態を問わずほとんどのタクシーチケットがこの後払い式です。

前払い式(プリペイド)

前払い式は、購入またはチャージした金額の範囲内で利用する方式です。事前に用意した金額のぶんだけ、繰り返し使えます。

与信審査がないため、導入の手続きは比較的簡単ですが、利用前にまとまった資金を用意する必要があり、前払いのぶん初期の資金負担が生じます。また、前払い式を発行しているタクシーチケット事業者は少なく、利用できる場面は後払い式に比べて限られます。

タクシーチケットの種類の選び方

タクシーチケットの種類の選び方

ここまで整理した形態と支払い方式を踏まえ、法人がタクシーチケットを選ぶ際は、以下の3つの観点が重要になります。

  • 利用シーンや用途
  • タクシーの利用範囲
  • 法人での管理・インボイス対応

【形態による比較表】

形態発行事業者数利用できる
タクシーの範囲
利用シーン・用途管理・インボイス対応

非常に多い

発行事業者による

手渡し・配布が容易
発行事業者による
カード
少ない

一部のエリアに限られる

配布できるものは一部
発行事業者による
デジタル
少ない

発行事業者による

乗る人はアプリ必須
発行事業者による

【支払い方式による比較表】

支払い
方式
発行事業者数利用できる
タクシーの範囲
利用シーン・用途管理・インボイス対応
後払い
非常に多い
×
発行事業者による

発行事業者による
発行事業者による
前払い
少ない
×
発行事業者による

発行事業者による
発行事業者による

それぞれ詳しく解説していきます。

利用できるタクシーの範囲で選ぶ

利用できるタクシーの範囲は、発行元によって大きく異なります。提携外のタクシーではチケットを使えないため、まずは自社が普段タクシーを使う主な地域で、使えるタクシー会社がどの程度あるかを確認しましょう

そのうえで、出張や遠方への移動が多い法人であれば、全国で使えるかどうかも重要なポイントになります。

利用シーンや用途で選ぶ

どの種類が適しているかは、利用シーンや用途によって変わります。判断の起点になるのは、もっとも広く使われている紙のチケットです。

紙のチケットは、取引先への手渡しや社員への配布がしやすく、多くのシーンをこれ一つでカバーできます。そのため、まずは紙で対応できるかを考えると選びやすくなります

そのうえで、使う人を一部の社員に絞りたい場合や、発行から決済までをアプリで完結させたい場合は、カード型やデジタル型も候補になります。ただし、利用データの管理や利用停止ができる利点はあるものの、対応する発行事業者は限られます。

支払い方式は、形態にかかわらず後払いが中心です。紙やデジタルはその多くが後払いで、カード型にも後払いのものがあります。前払い式は一部にとどまるため、実際に選ぶ際は、支払い方式よりも形態と用途の組み合わせで考えると分かりやすくなります。

法人での管理・インボイス対応から選ぶ

法人で導入する場合、発行元によっては利用明細を紙でしか確認できなかったり、インボイスに対応していなかったりするため、管理のしやすさとインボイス対応は契約前に確認しておきたいポイントです。

利用データやチケットの画像をWEB上で確認できる仕組みがあれば、経費精算や利用状況の把握を効率的に進められます。また、インボイスに対応した発行元を選んでおけば、仕入税額控除に必要な書類も管理しやすくなります。

タクシーチケットのインボイス対応については、関連記事で詳しく解説しています。

関連記事:タクシーチケットはインボイス対応している?発行元ごとの違いと経理処理を解説

タクシーチケットの種類に関するよくある質問

最後に、タクシーチケットの種類に関するよくある質問に回答します。

タクシーチケットとプリペイドカード・タクシークーポンの違いは何ですか

タクシーチケットは、乗車料金を精算するための決済手段です。一方プリペイドカードやタクシークーポンは、あらかじめ購入して使う回数券・サービス券に近いもので、性質が異なります。

支払いのタイミングにも違いがあり、タクシーチケットの多くが利用後にまとめて請求されるのに対し、クーポンは購入した時点で支払いが完了する前払い式の仕組みになっています。

タクシーチケットは紙・カード・電子のうちどれが一般的ですか

実際に使われているものの大半は、紙のタクシーチケットです。手渡しで精算できる手軽さや、法人でも配布しやすいことがその理由です。

カード型やデジタル型も存在するものの、発行元や使えるタクシーが限られており、デジタル化の広がりはごく一部にとどまっているのが現状です。

タクシーチケットの種類によって使えるタクシーは変わりますか

使えるタクシーの範囲は、紙・カード・デジタルといった形態ではなく、発行元によって決まります。同じ形態でも、発行元が違えば提携するタクシーの範囲は異なるため、導入前に対応するエリアと事業者を確認することが欠かせません。

タクシーチケットの種類によってインボイス対応は変わりますか

インボイスへの対応は、種類そのものよりも発行元によって異なります。対応していない発行元のチケットでは、原則として仕入税額控除を受けられないため、契約前に対応の有無を必ず確認しましょう。

インボイスに対応した発行元を選べば、控除に必要な書類がそろえやすくなり、経理処理の負担も抑えられます。

関連記事:タクシーチケットはインボイス対応している?発行元ごとの違いと経理処理を解説

タクシーチケットの形態によって手数料の違いはありますか

タクシーチケットの形態によって、手数料の考え方は異なります。

紙のチケットは、チケットの発行料や手数料がかかることがあります。カード型では、支払い方法によって発行料や手数料の有無が異なることがあります。デジタルは、発行料はかかりませんが、アプリでの手配料やサービス利用料等がかかる場合があります。

関連記事:タクシーチケットの購入方法は?法人向けの買い方とどこで買えるかを解説

まとめ

タクシーチケットの種類は、紙・カード・電子という形態と、後払い・前払いという支払い方式の2つの軸で整理できます。もっとも、実際に流通しているものの多くは紙の後払い式で、カード型やデジタル型は現状では利用できる場面が限られます。

そのため、紙のチケットを基準に、利用シーンや用途、使えるタクシーの範囲、管理のしやすさやインボイスへの対応といった観点から、自社に合う種類を見極めることが大切です。

自社に合うタクシーチケットの種類にお悩みでしたら、愛のタクシーチケットへご相談ください。愛のタクシーチケットは、業界トップクラスの加盟率で全国の幅広いエリアで利用でき、インボイス制度や利用済みチケットの確認・利用データのダウンロードにも対応しています。

導入の検討段階のご相談や見積もり依頼など、まずはお気軽にお問い合わせください。